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賃金格差

2018.06.07 Thursday
 最高裁が正社員と非正規社員の賃金格差を巡る2件の訴訟の判決を言い渡しました。違法性の有無を検討する際、総額を比較するだけでなく、賃金項目を個別に考慮すべきとする初めての判断です。
 労働契約法は、正社員と非正規社員の「不合理な格差」を禁じています。現在、非正規雇用は労働者全体の4割を占めますが、パートなどの賃金水準は正社員の約6割にとどまります。
 契約社員が、正社員に支払われている各種手当の支給を求めた「ハマキョウレックス事件」では、判決は、通勤手当や皆勤手当などの格差を「不合理」と判断しましたが、住宅手当の不支給は不合理ではない、としています。賃金体系やその種類、基準、内容は、企業の業種、規模によってさまざまです。転居を伴う異動の有無から正社員にだけ支払われる手当も当然ながら存在します。
 もう一方の「長沢運輸事件」では、再雇用者であることは、正社員との格差の是正を判断する際の考慮要素になるとし、賞与が支給されないことについて理解を示しました。再雇用者は、定年退職まで正社員として賃金が支給され、退職金も支払われ、条件を満たせば厚生年金も受け取れるからです。
 政府は、同一労働同一賃金の推進に向け、2年前に正社員との待遇差の適否を例示した指針案をまとめました。能力や成果、責任の重さの違いに応じた賃金差を認める一方、通勤手当や福利厚生では同一処遇を求めています。判決は指針案に沿った内容になっています。
 人事・賃金制度を短期間で見直すことは簡単ではありません。しかし、判決を機に、中小といえども不当な待遇格差の解消のため、労使で協議を重ね、透明性の高い賃金決定ルールの構築が求められています。(岡本)
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