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社労士ブログ

年休5日の時季指定義務

2018.10.13 Saturday
 6月に可決・成立した働き方改革関連法が、来年4月より順次施行されます。今回の改正により、会社は、年間10日以上の年休が付与される従業員に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととされました。特に中小企業に対する猶予期間は設けられておらず、どの会社においても対応を急がなければならない。
 計画年休制度で、既に5日以上の年休を付与している場合や、従業員各自が毎年確実に5日以上年休を取得している場合には、さらに追加して5日分を消化させる必要はありません。もっとも、従業員各自が、年5日以上の年休を取得するか否かは、不確実なことから、会社としては、確実に5日を消化させる仕組みを作ることが求められます。
 この計画年休制度とは、労使協定を締結することによって、各従業員の年休のうち5日を超える部分について、あらかじめ日にちを決めて付与する制度。この方法であれば、年間5日の消化義務について個別に管理をしなくても、一律に漏れなく5日の年休を消化できるため、管理の手間は省けますし、会社としてもできるだけ閑散期などに年休日をあらかじめ計画的に付与することで業務への影響を少なくするという利点があります。
 会社の実情によりますが、各自の年休消化率が非常に高い会社や規模が小さい会社であれば、個別の従業員に絞って、年間5日の年休消化となるように時季を指定していく方が柔軟な対応が可能です。逆に、年休消化率が低い場合や規模の大きい会社の場合は、漏れがないように計画年休制度の方がなじみやすいと思います。(岡本)
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築地市場

2018.10.06 Saturday
 83年の歴史を持つ東京の築地市場が閉場します。食の中核市場は、この11日に開く豊洲市場へと引き継がれることになります。
 築地市場は、1935年(昭和10年)に開場。全国からえりすぐりの生鮮食品を集め、水産で1日1500トン規模の取扱量は国内最大級。「築地ブランド」は世界が注目し外国人観光客にも人気でした。
 一方で老朽化や物流の増加に対応できず、2001年に移転が決まってから17年。工場跡地だったため土壌汚染対策が欠かせず、大規模な対策工事を施し、開場まで3ヶ月に迫った16年8月、突然の開場延期。築地残留か豊洲移転かの議論も過熱しましたが、結局、追加対策を実施したうえでのこの度の閉場、移転です。
 片や、市場に寄り添うように発展した築地場外市場は、現在の場所に残って営業を続けます。生鮮・加工食品や飲食店など数百の商店が並ぶ場外市場は、今、多くの観光客が訪れる人気スポットになっています。変わりゆく築地で変わらぬ魅力を維持するにはそれなりの工夫が必要です。「築地ブランド」を引き継ぎ、賑わいを保てるか。築地は大きな転換点を迎えています。(岡本)
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関空頼み

2018.09.15 Saturday
 台風21号の影響で関西の玄関口、関西国際空港が閉鎖に追い込まれました。関空は急増する訪日客受け入れの西の玄関口としての役割を担ってきました。国際貨物を中心に物流としても存在感を示しており閉鎖の影響は深刻です。
 昨年来日した外国人2700万人のうち、3分の1にあたる715万人が関空から。全国の空港の中では成田(760万人)に次ぐ多さです。また、貨物の取扱量は前年度比13%増の85万トンで、国際貨物だけで見ると、こちらも成田に次いで全国2位の規模です。
 6月の地震、7月の豪雨など相次ぐ災害でデパート、ホテルなど影響が続き、8月は持ち直したかに見えましたが、関空の閉鎖は新たな景気の押し下げ要因です。
 個人消費が伸びないなか、訪日客と輸出の2本柱が関西経済を先導してきましたが、この閉鎖が長引けば大きな影響が懸念されます。ミナミの道頓堀や黒門市場でも閑古鳥が鳴き、早じまいする店や生ものを扱う店では売れ残って赤字になるといいます。このまま訪日客や企業などの関空離れが進んでしまえば、風評も含め、再び関西に呼び戻すには時間がかかります。
 一方、有馬温泉では神戸空港や伊丹空港の臨時便の動きに注目が集まります。移動時間が関空より短縮でき、選択肢に入るチャンスが広がるからです。こちらは、災い転じて福となるか。(岡本)
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障害者雇用

2018.09.01 Saturday
 中央省庁で障害者雇用の水増しが相次ぎ見つかりました。対象外の職員を不適切に算入していたのは3,460人に上ります。障害者雇用率は1.19%と、法定雇用率(当時は2.3%)を実際は大きく下回っていました。民間企業の場合も障害者雇用は進んでいるとはいえ、法定雇用率を満たした企業は約半数にとどまります。
 国や自治体、民間企業は一定の割合以上の障害者を雇うように義務づけられています。国や自治体は2.5%、企業は2.2%が法定雇用率です。今回、水増しが見つかったのは国税庁や国土交通省など27の行政機関で全体の約8割に当たります。
 企業の17年の障害者雇用率は1.97%と前年比0.05%上昇して過去最高を更新しています。企業規模別では、従業員1,000人以上の企業の達成率は62%と大企業ほど障害者雇用が進んでいる。というのも、大企業では障害者雇用のための特例子会社を設けて雇用率を算定する場合が多く、454社の特例子会社があります。 
 企業には、障害者雇用の拡大を進めてもらうために「アメとムチ」が用意されていて、常時雇用者数100人超の事業所が法定雇用率を満たせない場合は、不足人数に応じて月額1人当たり5万円の納付金を命じられる。また、法定雇用率を超えて雇用する企業には納付金を原資として、雇用率を超える人数1人当たり月額2万7000円の調整金を支給するというものです。
 法定雇用率の算定に4月から精神障害者も加わって、官民とも数値目標が引き上げられたばかり。「障害者や家族の思いをないがしろにしている」。水増しの原因をはっきりさせ、再発防止の対策をとれるのか。行政にはまた大きな不信感が広がっています。(岡本)
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サマータイム

2018.08.31 Friday
 今年41度の最高気温を記録した日本で、2020年の東京五輪に向けて、サマータイム導入が検討されています。選手がより涼しい時間帯に競技ができるようにするためです。
 しかし、「朝の通勤電車がすく」「仕事帰りにナイターを見られる」「子供が起きている時間に帰れる」といった街の声を聞くと、まだ一般の理解が追いついていないと感じます。全員が一斉に時計の針を進めるから電車の込み具合は変わらず、早退しない限りナイターに間に合わないし、子供は同じ時間に寝るのも今と同じです。
 これが、自分で出退勤時刻を決めることができるフレックスタイムなら話は別です。早出も早退も自由だからです。電車もレジャー施設もすいています。ところが、フレックスの方は、導入済み企業は日本ではまだ4%。これに対し、英国やスウェーデンは5割。デンマークは9割を超え、一斉型サマータイム廃止を求める声を後押ししたといいます。
 夏だけの時を決めるのは国かそれとも個人か。夏には夏だけの時間の進み方があるような気がします。(岡本)
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パワハラ

2018.08.18 Saturday
 職場でのパワーハラスメントの相談件数が増加の一途をたどっています。全国の労働局に寄せられた労働相談の内訳では、パワハラの可能性のある「いじめ・嫌がらせ」は6年連続トップで、昨年度は7万件余り。また、これらが原因で精神疾患を発症し、労災認定された件数も88件で過去最多です。
 同じハラスメントでも、「セクハラ」は男女雇用機会均等法で、「マタハラ(マタニティー・ハラスメント)」は育児・介護休業法などで、それぞれ企業側に防止規定が定められています。法律に基づき、厚労省は企業に相談窓口の設置や再発防止策などを求めており、違反すれば行政指導もあります。これに対し、パワハラ対策を義務付ける法律はなく、対策が遅れている原因です。
 パワハラを巡っては、厚労省は2012年に「職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為」と定義し、過去の裁判例をもとに、典型的なパワハラ行為を6類型にまとめました。その後、今年3月には「パワハラに該当する例、しない例」として具体的に例示しました。ただ、現場からは「定義があいまいで分かりづらい」、企業への対策の義務付けについても企業からは「指導との線引きが難しい」と法制化に反対する声が多くあります。
 なるほど、セクハラやマタハラに比べると、パワハラは指導など業務に直接的に関連しているため、企業にとっては対応が難しく、「指導をパワハラと取られ上司が委縮してしまう」という意見もあります。しかし、職場環境の悪化や退職者の増加につながるおそれがあり、経営上の大きなリスクです。
 法制化と合わせてまずは、国はパワハラ対策の指針を整備し、企業が対応しやすい環境を作るべきです。(岡本)
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あのころ

2018.07.20 Friday
 私の所属する大阪船場ロータリークラブは先日、無事にまた華やかに創立30周年を迎えましたが、今から30年前は1988年(昭和63年)。その翌年は元号が昭和から平成へと変わり、時代の節目を迎えた年です。そのころの日本は80年代後半から90年代初めにかけて続くことになる空前の好景気―バブル経済の真っただ中にあったわけですから、そんな時期にクラブは産声をあげたことになります。日経平均株価が3万8千円の史上最高値を記録したのもこの年でした。
 いわゆる「バブル景気」を生んだきっかけの一つは85年の「プラザ合意」です。アメリカの貿易赤字を減らそうと、日本を含む先進国が協調してドル高の是正に乗り出します。ところが日本では急激な円高が進んでしまい、円高による不況を乗り切るため、金融緩和策が相次ぎ打ち出されました。そういえば消費税の導入もこの時です。株式や土地などへの投資が過熱し、東京の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えると報じられたほど。ゴルフ会員権なんかも値上がりし、定期預金は10年も経つと元本の倍以上になって帰ってくるという高利率。夜の盛り場も大繁盛で、ミナミから帰りのタクシーを拾うのに何時間も待たされたのもこの頃でした。
 やがて引き締め策が打ち出されると、過剰な投資が抑え込まれ、資金を調達できず工事がストップしたままの建設現場などもゴロゴロ。バブル崩壊後、日本経済は長期低迷期へと突入します。バブルの異常さというのは、はじけて初めて分かるものです。今の若い人たちには歴史の1ページかもしれませんが、歴史は繰り返すこともよく覚えておいてほしいものです。(岡本)
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働き方改革法

2018.06.30 Saturday
 働き方改革関連法が29日に成立しました。働き方改革関連法の柱は3つあります。ひとつは残業時間への上限規制の導入、次に正社員と非正規社員の不合理な待遇格差をなくす「同一労働同一賃金の制度化」。そして一部の専門職を対象にした、職務や成果をもとに賃金を決める「高度プロフェショナル制度(脱時間給制度)」の創設です。
 いずれも、個人の働きやすさややりがいを高める改革です。残業規制は事実上青天井で延ばせる時間外労働を制限し、健康を守る。同一労働同一賃金はパート社員らのモチベーションを上げ、脱時間給は労働時間規制に縛られずに働ける制度です。 個人が能力を発揮しやすい環境をつくることにより、生産性の向上が見込め、長時間労働の是正は、女性や高齢者の就業意欲を高める効果も期待でき、労働力不足の緩和につながります。
 しかし、積み残した課題もいくつかあります。大騒ぎした「脱時間給」は、対象者が絞り込まれた結果、数万人規模の企業でも対象になり得るのは数人程度。そもそも長時間労働の原因は、職務の範囲がはっきりしない「無限定」という雇用慣行。職務が曖昧だと働き手も成果も計りにくい。
 「70年ぶりの大改革」。安倍さんは法律が成立した29日にこう述べました。1947年に制定した労基法は戦前の工場法が前身です。工場労働者など働いた時間と成果は比例するという考えに立っています。現在、ホワイトカラーが労働者の過半数を占め、時間と成果は比例しない仕事が増えています。
 法案の国会提出から成立まで3年超。この間景気回復が続き、企業は人手不足を補うため投資を進めてきました。単純な作業や無駄な残業から解き放たれた人々は、新しい価値をどうつくっていくのか。新しい課題も横たわっています。(岡本)
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賃金格差

2018.06.07 Thursday
 最高裁が正社員と非正規社員の賃金格差を巡る2件の訴訟の判決を言い渡しました。違法性の有無を検討する際、総額を比較するだけでなく、賃金項目を個別に考慮すべきとする初めての判断です。
 労働契約法は、正社員と非正規社員の「不合理な格差」を禁じています。現在、非正規雇用は労働者全体の4割を占めますが、パートなどの賃金水準は正社員の約6割にとどまります。
 契約社員が、正社員に支払われている各種手当の支給を求めた「ハマキョウレックス事件」では、判決は、通勤手当や皆勤手当などの格差を「不合理」と判断しましたが、住宅手当の不支給は不合理ではない、としています。賃金体系やその種類、基準、内容は、企業の業種、規模によってさまざまです。転居を伴う異動の有無から正社員にだけ支払われる手当も当然ながら存在します。
 もう一方の「長沢運輸事件」では、再雇用者であることは、正社員との格差の是正を判断する際の考慮要素になるとし、賞与が支給されないことについて理解を示しました。再雇用者は、定年退職まで正社員として賃金が支給され、退職金も支払われ、条件を満たせば厚生年金も受け取れるからです。
 政府は、同一労働同一賃金の推進に向け、2年前に正社員との待遇差の適否を例示した指針案をまとめました。能力や成果、責任の重さの違いに応じた賃金差を認める一方、通勤手当や福利厚生では同一処遇を求めています。判決は指針案に沿った内容になっています。
 人事・賃金制度を短期間で見直すことは簡単ではありません。しかし、判決を機に、中小といえども不当な待遇格差の解消のため、労使で協議を重ね、透明性の高い賃金決定ルールの構築が求められています。(岡本)
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響17年

2018.05.24 Thursday
 サントリーは、響17年と白州12年の販売を6月以降、順次休止します。ハイボール人気のあおりで原酒が不足していることが原因です。
 1989年をピークに縮小を続けたウイスキー市場は、2008年に底を打って以降拡大してきました。国内ではハイボールブームが消費の呼び水になり、また、英国の品評会で響21年が最高賞に輝くなど、国産ウイスキーは国際的な評価が高まったことが挙げられます。ウイスキーの輸出額もこの10年で10倍以上に拡大しました。
 低迷していたウイスキー需要が拡大に転じたのは、サントリーが角のハイボールの販売に力を入れ始めた08年。低迷期の需要にもとづいて生産した原酒の量では、今の需要にすべて応えるのは困難です。
 しかし、ウイスキーの原酒熟成には数年〜10年かかります。ウイスキーは通常、ブランドごとに原酒があるわけではなく、時間をかけて仕込んだ異なる原酒を混ぜて造ります。サントリーが昨年販売したウイスキ―のうち、響と白州はいずれも1%程度、「角」が5割、「トリス」が2割。原酒は不足気味で、この販売休止がほかのブランドに広がる恐れもあるとのこと。
 各社は、蒸留や貯蔵設備の拡大に躍起ですが、その一方で、将来の需要を正確に予想はできず、増産のための巨額の設備投資が結局ムダになるかも知れません。(岡本)
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